再び見つけた鷹よ

twitterで「リプきたキャラ×自分の好きな曲の絵かく」
とのハッシュタグでリプライいただきましたクリフ(牧物2)
好きな曲:歌劇《影のない女》より〈皇帝のアリア〉(第二幕)
鷹匠と月山のモチーフはどうしたってR.シュトラウス作曲、
ホフマンスタール台本の《影のない女》を
連想させてしまいます。
皇帝というと有名なカンタービレが登場し、
勇壮な変ホ長調とエロスの歓喜を表すホ長調とが入り乱れる
第一幕の歌のほうが有名で人気なのかもしれませんが
私はこのオペラのなかで「人間界」を象徴する三度の音程が多発し
葛藤を通じて「人間界」へと下ってゆく第二幕の皇帝のほうが好きです

以下歌詞…そういえばランちゃんは白いリボンで髪を結えていたわ*…と
なにゆえほっこりしてしまった楽屋裏情報

皇帝:
鷹よ、再び見つけた鷹よ
私をどこへ連れてゆくのだ
賢い鳥よ?
「この鷹小屋で、森の中でひとり
この三日間を過ごすつもりです
乳母以外には誰もおりません
人間からも、世間からも離れております」
そう妻は書いて寄こした
手紙には器用にも彼女のリボンが結えてある
さてお前は山を越え川を越え
ここまで私を導いてきた、奇妙なことだ
ここで陰に身をひそめ
彼女の狩人としてじっとしておれということか?
だから私をここへ連れてきたのか?
彼女は寝ているのか?小屋には誰もおらぬようだ!
鷹よ、私の鷹よ、これはどういうことだ?
この夜更けにお前の女主人は何処へゆかれた?
鷹よ、どうやら時を
改めたほうがよさそうだな
黙れ、鷹よ、耳を澄ませろ!
何かがやって来る、何かの気配を感じるぞ
お前が私のために仕留めた獲物か?
静かに―

(乳母、その後ろから皇后が木々の間より現れ、木々の間に立っている。2人はかすかな音も立てずに敷居を跨ぎ、乳母がその戸を開け、家の中に入ると、中から明かりがともる)

ああ、鷹よ、なんてことだ!
彼女はどこから来たのだ!ああ、まさか!
人間の匂いがする
人間の残り香が漂っている
なんということだ、彼女は私に嘘をついたのか
なんということだ、彼女は死すべき身となったのか!

(籠より矢を抜く)

出でよ、私の矢、彼女を殺すがよい
私の白いガゼルであった彼女を!
ああ!お前がガゼルに突き刺さり、ガゼルは女性になったのだ!
お前には彼女を殺すことはできぬ

(矢を籠に戻し、鞘より剣を抜く)

出でよ、我が剣、彼女に振り下ろされよ!
ああ、お前は彼女の帯を解いたのだ
お前には彼女を殺すことはできぬ

(剣を鞘に戻す)

―ならば私のこの素手で!ああ!
私の素手でそれはできぬ!
なんということだ、ああ!
ゆけ、我が馬よ、そしてお前もだ、鷹よ、行け!
私をこの場から連れ去ってくれ
お前の残忍な心の赴くまま
私を導くがよい、牢獄のような岩の裂け目へ
人にも動物にも私の嘆きが届かぬ場所へ!
ああ、ああ!


(拙訳ごめんくだされです…)





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